症例を通して検査内容や施術方法を説明していますので、お読み頂き参考にしてください。

 

ケース1.

中学三年生/14歳

体育の時間にマット運動で前転に失敗して頭部を強打、背中の痛みを訴えて来院。

 

主訴 

背中の痛み

 

各種検査
以前、追突外傷で来院歴あり。

①アムサット

上段が交通事故当時のデータで、頭部、首から肩にかけて棒グラフが赤色で身体機能が顕著な亢進状態であることを示した。筋緊張・ケガによる炎症・精神的ストレスなどが考えられる。

 

下段が今回のデータで、頭部と首から肩にかけて黄色に下がり、身体機能は中程度の亢進状態に緩和した。

 

②筋電計

筋電検査で、頚部に強い筋緊張を認めた。
上段が交通事故当時の頚部筋電位のグラフで、両首から両肩にかけて異常な筋緊張状態を示した。※黒色は測定不能

 

下段が今回の頚部筋電位のグラフで、右首から右肩にかけ強い筋緊張が認められるものの測定範囲内に治まった。

 

③モーションパルペーション

可動域検査で上背部の可動域にアンバランスがあることを本人に確認してもらい、同時に触診しながら右肩甲骨が肋骨と一緒に盛り上がっていることを理解してもらう。

最近、学校の検診で側弯症の疑いを指摘されたとのことで、普段からうつ伏せ寝(右向きが多め)の習慣、右片噛み癖があるとのこと

 

施術

パルスターフラスのみ

パルスターフラスで後頭骨~仙骨までの各脊椎レベルにおける筋硬度を測定し調整した結果、受傷機転より頚部に問題が検出されることは事前に予想した通り、上部頚部及び仙骨部に問題あり。

 

検査結果

Occ〜C2(環椎後頭関節・環軸関節)に異常を検出。(PREグラフ)

施術は上部頚椎部を中心に、胸椎~仙骨を数カ所、及びその関連筋群を調整を行い、およそ5分程度で終了。

 

施術結果

脊柱全体の筋硬度率が6%緩和。(POSTグラフ)

上部頚椎の可動性に改善認めるも、後頭部の筋付着部にやや硬直を残す。

 

C1~C2(環軸関節)レベルの神経伝達が改善したことにより、姿勢が伸びやかになった。

患者教育

施術後、以下のことをアドバイスして終了。

就寝時は仰向け寝を基本にし、“ながら携帯”を控えること。

②枕の高さと形状に気を付けること。

③受験生なので長時間の勉強中の姿勢に気を付けること。

④食事の際は両方の奥歯でしっかり噛むこと。